新刊のご案内
『俳句は地球を駆けめぐる』
夏石番矢 著 定価3,630円
世界俳句の旗手による国境を越えた熱い句の交感。
今や地球上で共通の詩型である「俳句」、
各国の人々が母国語の粋を駆使して詠いあげる〈世界俳句〉の実例の数々。
世界の作家たちとの感性の交流にも心おどる、待望の書。
『身辺の記 Ⅲ』
矢島渚男 著 定価2,300円
秀逸豊饒で心に残る随筆集
「この三冊で私という俳人のおおよそが尽くされているのではないかと思います」。著者自ら語る待望の随筆集第三作。読む者を魅了する独自の感興は俳句から大宇宙へと涯しなく広がる。
このたび矢島渚男先生が2024年度文化功労者に選ばれました。心よりお慶び申し上げます。小社にて多くの句集、評論集、随筆集をご出版いただいておりますこと、大変ありがたく、先生のこれまでのご功績をお讃え申し上げ、今後ますますのご健筆、ご健吟をお祈り申し上げます。
『花あはれ 和歌千年を詠みつがれて』
松本章男 著 定価2,200円
花と草木で綴る百人一首
失われゆく日本本来の花と草木。和歌の世界に精通した作家が百人の秀歌からその味わいを描きとどめる、今一度甦らせたい自然への愛惜!
『与謝野鉄幹(寛)・晶子作品集』
逸見久美 他3名 編 定価2,420円
―与謝野文学の新たな道―
今まで触れられることの少なかった、鉄幹(寛)・晶子の小説・随筆・研究作品に注目し、当時の諸雑誌・新聞類から選び編集した貴重な一書。鉄幹・晶子の人間観察の鋭さ、時代の動きを感じとるまなざし、文学者としての矜持や交流が生き生きと綴られる。
鉄幹・晶子の文学研究に長く携わり、多くの実績を持つ逸見久美氏を中心とした4人の研究者による労作。
『室生犀星句集』改訂版
星野晃一 著 定価1,980円
小社のロングセラー『室生犀星句集』の改訂版がこのたび刊行されました。
―文人俳句の醍醐味、溢れてやまぬ詩性の宝庫―
犀星が「ここに集めた発句は私の発句としてはその全部」と序文に記した『犀星発句集』(桜井書店・昭18刊)を中心に、ほか生前編んだ三句集及び随筆集収録句より610句を収録。
◎新たに各句集序文及び五十音索引を収蔵!
◆特別書下ろし 犀星俳句観賞収録 川上弘美・作家「隣人になりたいひと」
『「杏っ子」ものがたりーー犀星とその娘・朝子』
星野晃一 著 定価3,300円
犀星研究に生涯をかけて打ち込む著者がまとめ上げた渾身の作。伝説のベストセラー『杏っ子』のさまざまな秘密がここに明らかに。犀星没後60年、室生朝子氏没後20年記念出版。
「ゲラ刷りが私の手元に届いたのは、母(朝子氏・註)のお命日6月19日であった。「お父様が、お父様が」と少女のように、目をキラキラさせて話す母の姿が蘇ってくる。母が、星野先生の手を借りて、伝えきれなかったことを、語りかけてくるようだ。」ーー室生洲々子(室生犀星記念館名誉館長)
『虚子点描』
矢島渚男 著 定価2,420円
虚子はいかにして俳人虚子になっていったのか。
近代俳句界の大樹、高浜虚子。その起伏にとんだ生涯と数々の魅力あるあまたの名句を、時代の流れの中に、鑑賞し、吟味し、考察した斬新な虚子像。芭蕉、蕪村などに精通する著者が独自の視点と感性をもって、虚子俳句の数々に挑む。
「ときには感嘆して鑑賞し、ときには批評的になって、実作者の立場から自由気儘に書いてきた……作品を『点』として、その周辺を『描』くものとして『虚子点描』と題した。好きな句、気になった句から気軽に読んで頂ければうれしい。」(著者あとがきより)
2022年1月出来!
朝日新聞朝刊 俳句時評にて角谷昌子氏による紹介記事掲載(2022年2月27日)
毎日新聞朝刊 歌壇・俳壇面にて岩岡中正氏による紹介記事掲載(2022年2月28日)
毎日新聞朝刊 書評欄にて小島ゆかり氏による紹介記事掲載(2022年4月16日)
読売新聞夕刊 文化欄にて、松本由佳氏による著者インタビュー記事掲載(2022年4月23日)
角川書店「俳句」にて西村麒麟氏による書評掲載(2022年5月号)
俳誌「鷹」にて小島月彦氏による書評掲載(2022年5月号)
『沙羅の咲く庭 ―こころの妙薬』
飯塚大幸 著 定価1,650円
生きることのむずかしさを感じているあなたへ やさしく仏の心を伝える珠玉のエッセー74篇
一畑薬師は、島根県出雲市にあり、平安時代の創建と伝わる臨済宗妙心寺派で、「目のお薬師様」としても知られるお寺です。その管長 飯塚大幸氏による珠玉のエッセー集!
『泉鏡花俳句集』
秋山稔 著 定価1,800円
美と幻想の作家・没後八十年余
雅趣あふれる初句集、ご披露。
明治24年、十八歳で尾崎紅葉に弟子入りした半年後より、没する昭和14年まで、詠み続けた俳句を四季別に配列。既刊の全集収録句に加え、随筆・紀行文・書簡類・俳句草稿・句会草稿より、現在確認出来得る鏡花の俳句544句を収録。
巻末に解説・略年譜・五十音索引。
〈収録〉鏡花俳句鑑賞「わが恋は人とる沼の…」詩人 高橋順子
「現世に働きかけるもう一つの世界の影を描くという点で、俳句と小説の境はない」(秋山稔・編者 金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)
2021年8月に刊行されました岸本尚毅著『文豪と俳句』(集英社新書)中に鏡花の俳句と小説との関わりについての興味深い考察がありました。小社刊『泉鏡花俳句集』からの引用も多数あり、本書の刊行が、ささやかながら鏡花文学研究の深まりに寄与したことを嬉しく拝見いたしました。
『私的長崎風土記』
倉田明彦 著 定価1,980円
長崎原爆投下後2年目に生を受けた著者が、医師として、俳人として、また子として親として、奇しき歴史と自然をもつ長崎の風景の数々を、散文と韻文を取り合わせで綴る。長崎への情愛と哀惜に満ちた書。
2021年6月13日、長崎新聞朝刊に掲載されました!
長崎の歴史文化、自然に著者の人生が重ねられた本と紹介されました。
『続 シマフクロウによろしく』
山崎聰 著 定価1,500円
心に響く百俳話!
2011年刊『シマフクロウによろしく』続篇。
俳誌「響焔」名誉主宰・山崎聰がさらに深く語る100の寸言集。俳句をもっと知りたい人、もっと上手になりたい人は見逃せない名言が満載。
〈本文より〉
”普通のことを、普通の言葉で、普通に云う”は常に俳句の鉄則である。
俳句は省略し過ぎるくらいでちょうどよい。俳句は引き算、極力言葉を削る。
俳句は窮極的には真実を書くものである。だから常に心を研ぎ澄まして現実の奥にあるものを見ようとしていないと真実は書けない。
『想い出すままに 与謝野鉄幹・晶子研究にかけた人生』
逸見久美(いつみくみ) 著 定価2,530円
――研究ひとすじ60余年――
与謝野鉄幹・晶子研究の、そして日本近代文学女性研究者の草分け逸見久美が、みずからの著書と研究の足跡をたどりつつ想い出すさまざまを綴る。与謝野研究の折々に関わった文学者、文化人たちとの幅広い交流も描かれ、巻頭の口絵写真も興味深い。与謝野文学研究家・愛好家・学生必読の一書。
著者の詳細な書誌・評価を併せて収録。
『歌集 園丁』
河田育子 著 定価2,750円
2018年度中日短歌大賞・日本歌人クラブ東海ブロック優良歌集賞受賞!!
詩歌論集『詩の鉱脈』の著者による待望の第一歌集。言の葉の園からいま解き放たれる珠玉の短歌302首。「音」叢書。栞:内藤明・花山多佳子・穂村弘
■この歌集を読む読者は、『園丁』のさまざまな指向、混沌と絶望と希求と諦念に触れることになるだろう――内藤明「風の行方」
■理知的な歌が多い一方で、ちょっとした糸口があると、隠された層がのぞくのではないか――花山多佳子「母語の深淵」
■作者は意識の死角にあるものを捉える特別な目を持っているのだろう――穂村弘「特別な目}
『手紙 三間由紀子詩集』
三間由紀子 著 定価1,320円
あなたへの43通のラヴ・レター
あたたかく透徹したまなざしから紡ぎだされる43篇の「手紙」。何気ない日常の風景が輝き、詩へと昇華される瞬間、あなたも三間由紀子の世界に誘われる。生の喜びと、言葉が生み出す幸福感が味わえる珠玉の掌篇。
『恋うた ――百歌繚乱』
松本章男 著 定価2,530円
記紀歌謡、万葉歌から江戸末期まで広く深く和歌の世界を渉猟している著者が、「恋」をテーマにした479首を取り上げ、解釈や思いを述べる。伊勢や和泉式部、式子内親王、西行、定家などの燃えるような相聞歌から、涙をさそう別れの詠まで、三十一文字に結晶された、いにしえ人の情念を味わう絶好の書下ろし佳書。『心うた・百歌清韻』と同時発売。
『心うた ――百歌清韻』
松本章男 著 定価2,530円
旅を、夢を、天象を、そして人の命や死を思い、古来さまざまな心が詠われてきた。それらを集めた部立て「雑」の歌514首を著者が万余の歌書から選びぬいた好アンソロジー。己の心を見つめ詠う歌人たちの思いを、味わい深く鑑賞し、人間成就への道を思索する過程や心情を、当時の歴史的背景や歌書から読み取る書下ろし好著。『恋うた・百歌繚乱』と同時発売。『私の万華鏡 ――文人たちとの一期一会』
井村君江 著 定価2,750円
堀口大學、佐藤春夫、西條八十、三島由紀夫、棟方志功、加藤周一、司馬遼太郎――日本文学からアイルランドのフォークロアまで、綺羅星の如く輝く文人たちとの思い出を、妖精学の第一人者である著者が独自の視点から描く。総勢36名、万華鏡を回すように縦横に織りなされる人間模様が多様な角度から光を放ち、その光彩は著者の人生航路のみならず、昭和から現在にかけての日本文化・教育・文芸史の一側面を浮き彫りにする。『風雲月露 ――俳句の基本を大切に』
柏原眠雨 著 定価2,750円
哲学者にして俳人の著者による、哲学の知見をも加えた独自の俳句論全174篇。俳誌「きたごち」に創刊以来書き継がれた一篇一篇が、テーマ別に分類され、重厚かつわかりやすい俳句の指導書となった。読んでいるうちに自ずと俳句の王道へと導いてくれる、俳人必読の書。
『多田不二来簡集』
星野晃一・多田曄代 編 定価4,950円
大正期の詩界に異色の光芒を放つ詩人・多田不二のもとに寄せられた各界著名人194名からの書簡593通を一挙に公開。
封書・はがき・郵便書簡・電報など、一部を除きほとんどが未公開。長らく多田家に保管されていたものが、このたび明らかに。
『Kくん ――ある自閉症者の生涯』
原田 青 著 定価1,870円
自閉症者Kくんと家族の波乱に満ちた成長の日々!その24年間の生涯を共に歩んだ母が綴る。
「本書は、他者との情緒的関りの弱さから派生する様々なハンディキャップを背負いながら精いっぱい生きた息子の24年間の記録です。それはまた、人間として不出来な母である私が、突然難しい障がい児の親となり、驚き、とまどい、歎き、そして愛し、学び、何とか理解しようと努めながら、彼を生き延びさせてあげられなかった失敗の記録でもあります。(中略)この地球の空の下で、このように生きている人たちがいることに、思いを馳せていただけたら幸いです。(後略)」(「はじめに」より)
『きたごち俳句歳時記』
柏原眠雨 編 定価3,850円
柏原眠雨主宰の「きたごち」300号 25周年記念出版。掲載季語2488項目を網羅する、四半世紀の集大成!
◇ 掲載句より ◇
ハンカチに包む津波の浜の貝 柏原眠雨
豊年や布袋の踊る蔵の町 石川千代子
『海を渡った光源氏 ――ウェイリー、『源氏物語』と出会う』
安達静子 著 定価2,954円
大英博物館の東洋版画・素描部で仕事をしていたウェイリーは、ある時、一枚の版画を手にして、その片隅に書かれている数行の文に、ふと目がいった…」(本文より)――『源氏物語』翻訳の金字塔、アーサー・ウェイリー(1889-1966)の華麗な英訳書『The Tale of Genji』をあわせ読み、紫式部の物語の本来の魅力に多角的に光をあてる労作!
『友 臼井吉見と古田晁と ――出版に情熱を燃やした生涯』
柏原成光 著 定価2,200円
唐木順三が「運命相互体」と名づけた臼井吉見と古田晁の友情は中学時代から始まる。その友情は、1940年に船出した筑摩書房を舞台に、戦中・戦後の激動する出版界の中で、古田の急死まで続く…。波乱に満ちた二人の軌跡をたどる。
『裁判を闘って ――弁護士を志す若き友へ』
島林 樹 著 定価1,980円
かつて四大公害裁判の一つであるイタイイタイ病訴訟に関わり、常に弱者の視点に寄り添いながら弁護士として活動してきた著者が、満を持して贈る貴重な証言の数々がここに!『公害裁判』に続く第2弾、ついに刊行。
2016年10月 待望の重版出来!
紅書房のおすすめ本
『花過ぎ 井上靖覚え書』
白神喜美子 著 定価1,922円
文豪のめざましい活躍の陰に、その人のため身を捨てて一尽くした愛の女性があった。が、ついに別れの日が来て彼女は静かに去る。思い出にひとり涙しつつ彼女は云う。「私の願う人は無冠の人でした。」可憐な一言を文学そのものに投げて花の向うに彼女は去って行ったのだ。
(永瀬清子・詩人)
1993年刊行以来、20年の時を経てなお読み継がれる一女性の愛と真実の記!
2013年9月14日付 東京・中日新聞 夕刊 文化面で紹介されました。
『源氏物語随想 ――歌ごころ千年の旅』
尾崎左永子 著 定価2,530円
これであなたも源氏通。
『源氏の恋文』、『新訳源氏物語』全四巻など源氏関連の著作も多く、王朝文学に精通した著者がこの一冊に贈る、源氏物語をまるごと楽しめる早わかり読本。
『啄木の函館 ――実に美しき海区なり』
竹原三哉 著 定価2,095円
石川啄木没後一〇〇年。今なお熱いまなざしを注ぐ啄木ファンに贈る待望の書。
啄木が最も愛したと言われる街、函館での啄木文学散歩に必携の斬新な案内記が誕生!
『身辺の記 II』
矢島渚男 著 定価2,200円
待ちかねた人気エッセイ集第二弾!
「俳句は一即一切、一切即一を目指す文芸」「下手でも真実な句が好き」――独自の俳句観を磁場に文学、芸術全般から宇宙論まで広範な感興を縦横に語る珠玉の俳句随筆集。
『戦前の文士と戦後の文士』
大久保房男 著 定価2,530円
純文学はゴロツキと見られた文士の社会である文壇以外からは産れなかった。文士の修羅場でもある文壇が戦後20年たって崩壊したと言われるまでを、「純文学の鬼」と言われた編集者の書いた興味盡きぬ挿話に満ちた戦後文壇史。